秋葉原殺傷事件「腹立たしい」=渡海文科相

渡海紀三朗文部科学相は10日の閣議後記者会見で、7人が死亡した東京・秋葉原の無差別殺傷事件について、「腹立たしい事件だ」とした上で、「事件が起こる背景と教育との関係を考えさせられた」との感想を述べた。
また、同相は、最近「キレやすい子ども」が増えていると指摘されていることについて、「省内で(キレる現象と)幼児期の脳科学との関係について懇談会などでやっていこうと考えている」と語り、原因究明に向けて研究を進める考えを明らかにした。(時事通信08/06/10)

このニュースを目にしたとき、一昨年の教育基本法の改正以来のビッグニュースだと感じました。テレビではあまり取り上げられなかったようですが、文部科学大臣が幼児期の教育と脳科学に言及したのは戦後初めてだと思われます。

これまでの教育界は、異なる分野の専門家が教育を語ると、反目することはあっても、互いの分野を融合させ、新たなる教育論を展開するようなことは公(文科省:中央教育審議会)にはほとんどなかったように思います。
しかし、「誰でもよかった殺人」や「キレやすい子」が増加するにつれ、原因究明のための研究が、日本ではようやく始まろうとしています。

どうしてこれがビッグニュースなのかと申しますと、その研究成果によっては、現在の日本の学校教育・子育ての方法論がひっくり返るかもしれないからです。
いわゆる子供中心の子育ては、日本の敗戦によって、戦前の日本=悪というイメージが刷り込まれたために、教育においても伝統的なよき子育てさえ、塗り替えられる事態が起きていたのです。
多くの大学教授や文科省・厚労省の方が、幼児教育(子育て)については・・・間違っていた・・・と気づいたとしても、方向性を変えることはなかなか難しいようです・・・(ゆとり教育に対して文科省は反省文を出しましたが、方向性は間違っていなかったとしているように)

3歳までの子育てがいかに重要であるか、「三つ子の魂、百まで」ということわざも、先人の残した経験知であったのです。ジェンダーフリー(ジェンダーイコーリティー)を唱える、かつてウーマンリブを叫んだ人々が、「3歳児神話」を否定する根拠として女性を家庭に縛り付けるための造語だとしていますが、このことわざの正しさがこれからの科学的研究で証明されるに違いありません。(米国ではすでに証明されています。)

今後の研究成果によって、「子供中心の子育て」の見直し論が発表されることと思います。「子育て支援策」も母親を出産後すぐに働かせる母親就労支援ではなく、少なくとも3歳ぐらいまでは母親が外で働かなくても済む環境・制度の整備を切望しております。