子供に身につけてほしい能力 2015.1

生き抜く力がほしい! 

正月の新聞記事にベネッセ教育総合研究所が、小4~中2生の親に「子供に身につけてほしい能力」の調査が載っていました。(2014.10.31速報版)
それによりますと、親世代が就職氷河期(いい学校→いい会社の図式が壊れた時期)でもがいた経験から、仕事に役立つ資格や受験合格力などを押しのけて、「何事もあきらめずに頑張り抜く力」(78割がそう思う)「何かに打ち込んで集中する力」(7割)「どんな環境にも適応する力」(7割)がトップ3となった、と書かれてありました。しかしながらこの結果はそれだけではなく、近年の若手社員に決定的に不足していると思われる能力を、我が子にだけは身につけてほしい、との願いからではないでしょうか。

知識や教養、資格など学力に関するものは、4位以下(6割以下)となった点も見逃せません。このことは、ペーパーテストで計れる学力が軽視されたわけではなく、それ以上に社会人として最低限必要な人間性とでも言いましょうか、それが不十分であるがゆえに就業の継続すら危ぶまれる事態が生じていることは想像に難くありません。

これらトップ3は、意志・意欲、集中力・忍耐力、問題解決力といった人間力(生きる力)に偏っている点が特に気になります。ゆとり教育がめざしたものは「生きる力」だったはずですが、皮肉にも真逆の結果となり、ゆとり教育からの更なる脱却が求められています。

公立の小学校では通知表に絶対評価が取り入れられ、昔は5段階の相対評価から3段階の評定へ、そして今は廃止(学校による)されました。各教科3段階の観点別評価(◎○△など。最近の子供たちは通知表を見せ合うことが多いのか、最低評価の子はいなかったよ?と息子。)のみとなりましたが、実質的には各教科評定なしの4つ程度の毎回変わる観点別2段階評価に近いものになっています。
このため、残念ながら通知表から我が子の学力は全く見当がつきませんでした。以前も書きましたが、学校教育においてとても大切なものに評価があります。子供がやる気を起こさせる評価(評価規準・評価方法の見直し)をお願いしたいものです。

話を戻しますが、このやる気こそが、前出のトップ3(生きる力)の源ともいえそうです。
このような「生きる力」のさらに大本は、幼児期に身につけておきたい能力として、基本的生活習慣は言うまでもありませんが、その根本は立腰躾の3原則です。
幼稚園で毎日朗誦している4つの約束 一、腰骨を立てる(いかなる時も腰骨を立てて生活する) 二、他人より先に挨拶をする 三、はいと元気な声で返事をする 四、靴を揃え、椅子は入れる は、ご家庭でも毎日声に出して読むことで、性根のしゃんとした立派な人間になることでしょう。将来、迷える子羊にさせないためにも 今を大切にしていきましょう。