教育再生は正しい歴史認識から

「その子育ては科学的に間違っています」の著者 國米欣明先生によると、脳の「自己抑制力の中枢」の発達には臨界期の存在が突き止められ、その臨界期は3歳であることがわかった。この臨界期は、様々な分野にも存在し、音感、語学、運動・・・と、その時期までに身に付けておかないと後になってからでは身につかない(習得が難しい)という時期が臨界期である。子育てにおいては、3歳までに「自己抑制力」を育てる教育をしてこなかったことが、キレる子、ひきこもり、モンスターペアレンツ達を生み出したと科学的に結論付けている。

つまり「三つ子の魂百までも」の諺は、最新の脳科学よりも経験知が進んでいたことになり、改めて驚かされる。70年代から80年代にかけてのアメリカでは、今の日本と同じような事態が発生し、その後の研究によって原因をようやく脳科学が解明したのである。

キレる子、引きこもり、モンスターペアレントは、戦後、アメリカから日本に導入され広まった誤った育児法「子供中心主義」の被害者ともいえるだろう。また、軽度発達障害の子供達もどうも先天的ではないらしい、という専門家も現れてきた。
つまり、3歳までの教育がヒトから人間(性)を形成する上で重要な期間なのである。学力を築く上での土台、躾(しつけ=人間としてのたしなみ)がこの期間に完成されるからだ。人間としての土台がしっかりしていなければ建物は揺らぎ、やがて崩れてしまう。

これまでの幼児教育では、長きにわたり自由な遊びを通して学んでいく視点が強調されてきた。さらに、行き過ぎた自由や個性の尊重が声高く叫ばれたため、自分勝手で傍若無人な振る舞いのキレやすい日本人が増え、奇怪な犯罪・事件が頻発するようになったが、今後はさらに増加する事は必然である。

2006年12月、「教育基本法」がようやく改正された。これにより学習指導要領が大きく変わった。しかし、幼稚園教育要領はほとんど変わらない。小1プロブレムがこんなにも問題になっているのにである。子供を取り巻く環境が劇的に変容したにもかかわらず、教育内容、方法をほとんど変更しようとしないのは、いかなる理由によるものだろうか。

「旧教育基本法」は、現行憲法と同様にアメリカに押し付けられたものである。GHQ(連合国軍総司令部)の占領政策のなかで押し進められてきたW.G.I.P(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム〈戦争についての罪悪感を日本人に植えつけるための宣伝計画〉)に基づき、旧教育基本法が制定された。

このW.G.I.Pは、日本を占領・支配しやすくするための戦略であり、中国や韓国が未だに謝罪せよ謝罪せよ、と繰り返し言い続けているのはこれをうまく利用しているにすぎない。ある大きな組織の教職員・政党もそれに加担しているのだが、そのことに気付いているのか、いないのか定かではない。
安倍晋三元首相の靖国神社参拝問題は、国民に自国の歴史認識に関心を高めさせ、ねじ曲げられた自虐的な歴史観から目覚めさせるきっかけになった。

戦後の教育を受けてきた全ての日本人は、このW.G.I.Pによって、日本人から伝統や誇り、日本人の心(武士道)を消滅させる方向に動かされている。最近の犯罪が奇怪なものや異常なものが増えてきたのも、教育を破壊(崩壊)され続けてきたためである。
毒入り餃子事件・チベット暴動の政府の対応・報道の様子をみれば、マスメディアが誰によって操作されているかが明らかになったはずだ。

東京裁判で日本無罪論者のパール判事は、サンフランシスコ講和条約(S27)後、来日し、次のように述べている。日本は独立したといっているが、これは独立でもなんでもない。しいて独立を使いたければ半独立といったらいい。「独立国家」には、4つの条件が備わっていなければならない。

①国家の基本法である憲法は自分たちの手で書く。
②自分の国土(領土)は自分たちで守る。
③国家の祭祀・信仰は何人からも干渉を受けない。
④子弟に対する教育も同様に、他国からの干渉を排除して、自分たちの意志に基づく。

こうしてみると、日本は4つ条件のうち、1つも満たしていない。日本は未だに国家としての条件が備わっていないのである。
国際社会で日本が時としていいようにあしらわれるのは、このように「独立国家」ではないからである。実際、日本の空の制空権(航空管制)はほぼ米軍にある。

私達は正しい歴史認識の上に立ち、正しい判断の出来るしっかりとした日本人を育てなければならない。だからこそ、幼児期の教育が一番重要なのである。
幼稚園では集団生活の決まりごとを理解し、集団行動が出来るようになること、子供の能力(脳)を伸ばすこと、人間関係を学ぶことなどがあるが、脳の発達のピークであるこの適時期に、石井勲式国語教育法やミュージックステップなどによって豊かな刺激を与え続け、人格の形成に不可欠な躾(人間としてのたしなみ)や規範意識をしっかり定着させていかねばならない。これらの適時教育を進めていかねばならない。
布佐台幼稚園の教師は、このような使命感を持って子供たちと日々向き合っている。