なぜ、今、乳幼児期の重要性が高まっているのか 04.11.8 筑波市 講演 筑波学院大学学長 門脇厚司 先生

門脇先生は、「子供の社会力」(岩波新書)の著者としても有名な方です。この講演の中で一番強い口調で話されていた言葉に

『子どもの本当の友達は大人なんだ!子ども同士でなんてありえない。』

というものがありました。
子供たちの社会力が衰弱した理由には、乳幼児期から様々な人々との関わり(相互行為)の絶対量が不足している点と、テレビ・ビデオ・TVゲーム・パソコンなどとの過剰なかかわりによる人間嫌いを生み出している点をあげています。
また、乳幼児期には、社会力のおおもとである、様々な人に対する関心と愛着を育てなくてはなりません。さらに、身の回りのモノやコトへの関心を持たせ、五感を働かせることの快感と意欲を高める必要があります。

では、我々教育関係者、親、保育関係者は何をすべきなのでしょうか。
①できるだけ多くの他者(特に大人たち)と出会う機会を多くする。
②子どもからの働きかけに適切に応答する。・・・子どもへの応答は絶対に手抜きしない!
③多様な体験をさせ、五感をフル稼動させる…脳に多くの情報を送り込むように心掛ける。
④TV、ビデオ、TVゲーム、パソコンとの接触を控えさせる。(特に乳幼児期は!2歳まではTVは見ない)
⑤幼保一元化(保育園の幼稚園化)を急ぐ
*子どもの遊びの変化・・・先生がいるときはみんなで仲良く遊ぶが、30年位前から先生がいないと離れ離れで遊ぶ傾向が見られ始めたそうです。

0歳からの乳幼児教育が、「社会的な動物である人間を育て、他者への関心・愛着心を育てる」と締めくくっています。
子どもを遊ばせることも必要ですが、大人が積極的に子どもと関わっていく必要性を改めて認識させられました。